糖尿病は高血糖が続くことで様々な合併症を起こす病気です。血糖値を下げるホルモンであるインスリンによって体内では食事を食べた後でも血糖の上昇は起こりにくくなっております。糖尿病はインスリンが作られなくなるあるいはインスリンが効きにくくなることで血糖が上昇します。
糖尿病は主に外来で治療を続けてまいりますが入院して治療を行うこともあります。糖尿病の教育入院は2週間で行います。患者さんの御都合に合わせて入院期間の調整はいたします。
教育入院は食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせて血糖を低下させます。入院中は医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学作業療法士など、1人の患者さんになるべく多くのスタッフが関わり糖尿病の教育を行います。
入院中には様々な検査も行います。自分の体内で作られているインスリンの量を測定します。インスリンが作られている量によって食事運動療法、内服薬の治療のみで行うかインスリン注射を組み合わせて治療を行うかのおおよその方針が決まります。インスリン治療が必要と考えられる場合はインスリンの打ち方まで指導を行います。
24時間血糖値が測定できるフリースタイルリブレも使用しています。
また、糖尿病は血糖値が高いことにより動脈硬化を進めさまざまな合併症を引き起こします。その大半は無症状ですので、入院中に合併症の評価を行いなるべく早期の段階で合併症を発見するために努めております。糖尿病では狭心症や大腸疾患が増加することが知られています。当院では循環器内科、消化器内科と連携していますので、糖尿病の患者さんで心臓、消化管について気になることがあれば、診断・治療まで行っております。頸動脈エコーや脳のMRI検査もできます。これらの検査は外来でも受けることができます。
退院後は基本的にかかりつけ医療機関に通院を継続していただくことになりますが、そういった患者さんに対して、3か月から6か月後に退院後の治療がうまくいっているかどうか確認できるよう、再指導外来を行っています。採血後、病院食の昼食を摂っていただき(新型コロナウイルス蔓延中は病院食をお出しできない時期もあります)、医師、看護師、管理栄養士と面談するシステムです。
内分泌疾患は下垂体、甲状腺、副腎などの疾患の診断、治療を行っています。必要に応じてエコー、CT、MRI検査、薬剤を使った負荷試験を行っています。当院では行えない治療や検査がある場合は福岡大学病院等と連携して診療を行います。
肥満症外来について
福岡大学西新病院では、糖尿病・代謝・内分泌内科にて、原発性肥満と二次性肥満(内分泌性肥満・遺伝性肥満・視床下部性肥満・薬物による肥満など)を鑑別し、肥満症に対して体重減少を目指した内科的治療を行っています。肥満症に対し、多職種連携(医師・管理栄養士・理学療法士など)のもと内科的治療に取り組んでいます。
肥満と肥満症の違いは?
BMI≧25kg/㎡で肥満、すなわち「太っている状態」を意味します。BMI≧35kg/㎡以上は「高度肥満」の状態です。この、「肥満」に伴い健康を脅かす合併症がある場合や、合併症になるリスクが高い場合は、「肥満症」と診断され、医学的な減量治療の対象になります。
※BMIとは「ボディ・マス・インデックス」の略で、
身長と体重から肥満度や低体重を判定するための国際的な体格指数です。
どんな人が治療の対象?
肥満症外来は、次のいずれかに該当する方が対象です。
1.高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病に対し、投薬治療を受けていて、
BMI≧35kg/㎡以上の方。
2.高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病に対し、投薬治療を受けていて、
BMI≧27kg/㎡~BMI35kg/㎡未満で、下記項目が2項目以上該当する方。
□ 高血圧症
□ 脳梗塞
□ 脂質異常症
□ 非アルコール性脂肪性肝疾患
□ 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常等)
□ 月経異常・不妊
□ 高尿酸血症・痛風
□ 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
□ 冠動脈疾患
□ 肥満関連腎臓病
□ 運動器疾患(変形性関節症)
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肥満症の治療は「減量」が基本です。
しかし、ただ体重を減らすことが目的ではありません。内臓脂肪を減らし、肥満に合併する疾患の予防・改善を行うことが目的です。減量を目的とした治療の基本は食事、運動といった生活習慣の修正が不可欠です。
薬物療法については、「肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント」に基づき、当院での肥満症外来の対象となった方が6か月の通院を継続していただうえで、主治医が適応ありと判断した場合に処方を行います。薬物療法を開始した薬物療法を開始した場合でも、生活習慣の修正は継続することが前提です。
なお、肥満症に対する外科療法につきましては、当院では手術加療は実施しておりません。ご希望の場合は、対応可能な医療機関にご紹介させていただきます。
肥満症外来に通院される方で、かかりつけの医療機関がある場合は、できるだけ紹介状(診療情報提供書)をご持参ください。当院への通院を開始した後も、基本的にはかかりつけの医療機関にも引き続き受診いただくことになります。
診療時間・連絡先
火曜日:① 13:00~14:00 ② 14:00~15:00
金曜日:① 13:00~14:00 ② 14:00~15:00
(上記4枠の予約制です。肥満症外来予約希望とお伝えください。)
- 予約希望の方は、(平日)14:00~16:00にお電話ください。

肥満症外来の流れ



